STING経路による自然免疫・炎症応答は、ウイルス感染時の感染防御に必要であるだけでなく、この経路の制御機構が破綻して暴走すると、がんや神経変性疾患などのさまざまな病気の進行につながる。したがって、STING経路のシグナル伝達を厳密に制御するためには、STINGの小胞体からゴルジ体への輸送機構を理解することが重要である。本研究ではSTINGの輸送がCOPIIを介した小胞輸送やACBD3を介したオルガネラコンタクトによって制御される可能性が示唆されたため、これらの分子機能を操作することでSTINGの活性を制御できれば、STING関連疾患に対する治療法の開発につながることが期待される。
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