脂肪肝を背景に、細菌性のエンドトキシンの過剰反応が亢進し、炎症や線維化が惹起され、非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH)の病態形成に重要である。分子間接着因子トランスグルタミナーゼ(TG2) は、Gln-Lys 残基間に架橋結合を形成する酵素で、多彩な生理的・病理的現象に深く関わる。本研究では、敗血症関連肝障害やNASHの病態進展において、F4/80陽性の肝マクロファージ細胞でのTG2活性化が観察された。マルチオミクス解析を用いて、肝ホスファチジルエタノールアミンに依存した膜シグナルネットワークを構築した。TG2阻害剤によって、敗血症関連肝障害やNASHの病態進展への保護作用を明らかにした。
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