腸上皮細胞はLgr5 陽性腸幹細胞から継続的に再生されるが、 成熟した腸上皮細胞の寿命は比較的短く、その適切な制御は腸の恒常性を維持する上で重要であると考えられている。本研究では、受容体型プロテインキナーゼの下流分子であるmTORC1やRas が 腸幹細胞の維持に重要なWnt シグナル伝達経路を阻害し、Lgr5 陽性腸幹細胞の数を減少させることを見出した。 これらの成果から、mTORC1およびRasとWntシグナル伝達経路の間のクロストークが、腸上皮細胞の恒常性を制御しており、腸疾患の発症とその治療にとっても重要と考えられた。
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