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2020 年度 実施状況報告書

特異な経過をとる濾胞性リンパ腫の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 20K07375
研究機関岡山大学

研究代表者

吉野 正  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70183704)

研究分担者 磯田 哲也 (田端哲也)  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40824602)
井川 卓朗  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50803186)
田中 健大  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (70549857)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード濾胞性リンパ腫
研究実績の概要

本研究の最大の目途はc-MYC転座とBCL2転座を有するdouble hit症例の検討をする点にある。まずは、100例余りの濾胞性リンパ腫について、上記2分子の発現をパイロット的に検索したところ、BCL2は約9割の症例で陽性になったが、c-MYCについては、5例ほどの陽性例を把握するに過ぎず、これらの方法では初期の目的を達することは困難であることが予想された。そのため、分子発現については今後とも症例を重ねていくことを続行するが、組織マイクロアレイを作成し、きわめて多数例を同時に検索するとともに、両転座についてはFISH法を用いることで研究進展の加速を行うことを決断した。現在組織マイクロアレイについて精力的に資料を収集して完成間近の段階に差し掛かっている。パラフィン組織におけるFISH法についても良好な方法を取ることに成功しており、新年度については、これらの方面において一挙にデータ収集できるものと考えている。target sequencingについては、小数例をおこなっているが、われわれの講座も関わる形でnCounterが導入されるので、特異な経過をとる症例についてゲノミクス、マルチオミクスという観点で網羅的な分子異常の、発現の研究に転進することを現在考えており、その準備を進めているところである。以上のような状況は、研究開始時にはなかったものであり、より発展的な研究推進を選択することとなった。
なお、本研究は濾胞性リンパ腫に焦点を合わせているが、症例の読み出しにより同時にホジキンリンパ腫や非ホジキンリンパ腫、医原性LPDなども研究平行して進めており、原著論文を21編の報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績に記したように、当初の予定どおりに進んでいるわけではない。しかし、新たな方法論を選択すること、それらの準備を急速に進めていることを併せると、予想通りの展開ではないが、より網羅的な研究に発展することも期待できるので、進捗状況の評価としてはマイナスプラスゼロと判断することである。

今後の研究の推進方策

上記に示すように、組織マイクロアレイとnCounterという新規な研究方向を打ち出すことで、ブレークスルーする所存である。

次年度使用額が生じた理由

使用した研究費で、研究を遂行することが可能であったため。次年度の研究費に充当し、十分な結果を得るようにする。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Clinicopathologic analysis of gastric mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma with or without c-Met expression. Clinicopathologic analysis of gastric mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma with or without c-Met expression.2020

    • 著者名/発表者名
      Omote R, Gion Y, Omote S, Tari A, Tanaka T, Nishikori A, Yoshino T, Sato Y.
    • 雑誌名

      Med Mol Morphol.

      巻: Jan 2 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1007/s00795-019-00241-6.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differential diagnosis of chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma and other indolent lymphomas, including mantle cell lymphoma.2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshino T, Tanaka T, Sato Y
    • 雑誌名

      J Clin Exp Hematop

      巻: Apr 3 ページ: 1-6

    • DOI

      10.3960/jslrt.19041

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinicopathological analysis of 34 Japanese patients with EBV-positive mucocutaneous ulcer2020

    • 著者名/発表者名
      Ikeda T, Gion Y, Sakamoto M, Tachibana T, Nishikori A, Nishimura MF, Yoshino T, Sato Y
    • 雑誌名

      Mod Pathol.

      巻: June 9 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1038/s41379-020-0599-8.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Consolidation with 90 Yttrium-ibritumomab tiuxetan after bendamustine and rituximab for relapsed follicular lymphoma2020

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiro Miura , Hideki Tsujimura , Yasufumi Masaki , Tadashi Yoshino et al
    • 雑誌名

      Hematol Oncol

      巻: Sep 25 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1002/hon.2809.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Technique for single-step lymphocyte isolation from an endoscopic biopsy specimen for the diagnosis of gastrointestinal lymphoma.2020

    • 著者名/発表者名
      Iwamuro M, Takahashi T, Watanabe N, Omote S, Matsueda K, Tanaka T, Ennishi D, Otsuka F, Yoshino T, Okada H.
    • 雑誌名

      MethodsX.

      巻: Oct 10 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1016/j.mex.2020.101095.

    • 査読あり
  • [図書] 腸癌第2版 腫瘍病理鑑別診断アトラス2021

    • 著者名/発表者名
      吉野 正
    • 総ページ数
      293
    • 出版者
      文光堂
    • ISBN
      978-4-8306-2258-8
  • [図書] 病理組織の見方と鑑別診断 第7版2020

    • 著者名/発表者名
      吉野 正
    • 総ページ数
      740
    • 出版者
      医歯薬出版
    • ISBN
      978-4-263-73197-0
  • [図書] 外科病理学第5版2020

    • 著者名/発表者名
      吉野 正
    • 総ページ数
      1754
    • 出版者
      文光堂
    • ISBN
      978-4-8306-0481-2

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公開日: 2021-12-27  

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