1019例の大腸癌をRT-PCRでスクリーニングし、29例(2.8%)のRSPO融合陽性例を同定した。患者は女性17名、男性12名で、13例(45%)は右側性であった。腫瘍の約半数は局所的または広範な粘液産生を示し、その頻度はRSPO融合陰性例より有意に高かった。全エクソーム解析により、合計27例(93%)でKRAS/BRAF/NRAS変異が確認された。一方、WNT経路遺伝子(APC/CTNNB1/RNF43)の変異は認められなかった。RSPO融合は、全生存期間や無再発生存期間に統計的に有意な影響を与えなかった。これらの臨床病理学的・分子生物学的特徴は、先行研究のプール解析でも確認された。
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