頭頸部がんのクロマチンアクセシビリティ解析による薬剤応答性新規細胞亜集団の特定

2022 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20K07383
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分49020:人体病理学関連
• 研究機関: 国立研究開発法人国立がん研究センター
• 研究代表者: 森 泰昌 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00296708)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 頭頸部癌 / ゲノム解析 / 再発・多発 / ヘテロジェネイティ / 治療法開発

研究成果の概要

頭頸部扁平上皮癌の不均一性やゲノム異常の蓄積、それに伴う治療抵抗性の理解を目的として多様性を規定するサブポピュレーションを腫瘍発生機序やHPVのタイプ、形態学的変化と合わせて解析を行った。17例の匿名化された詳細な臨床情報のデータベースの作成とそれら症例のDNAを抽出し、癌関連遺伝子のエクソーム解析を進めた。さらにmulti-regionエクソーム解析について50例以上解析を完了した。加えて再発症例について時間的な変化と転移リンパ節を含めたの解析した。これから一つの腫瘍と考えられている中に少なくとも3つ以上のクローンが存在すること、薬剤ターゲットとなり得るドライバーを明らかにした。

自由記述の分野

分子病理学、人体病理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

頭頸部癌はアルコールやタバコの要因のみならず、Ｈuman Papiloma VirsやＥpstein-Berr Virus感染,
近年では血液腫瘍に対する骨髄移植後の移植片対宿主病変（Ｇｒａｆｔ　Ｖｅｒｓｕｓ　Ｈｏｓｔ　Ｄisease/GVHD)を起因とした多発、再発がんが問題となっている。これらの疾患の本質は、フィールドキャンサライぜーションと呼称される領域全体のゲノム変異の蓄積である。ほん研究の成果はそれらの領域的なヘテロジェネイティを理解すること、腫瘍の薬剤耐性のメカニズムを理解し、治療方針や予防、再発のリスク評価などの患者のフォローアップ方法のエビデンスを確立することにある。