研究課題/領域番号 |
20K07384
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
星田 義彦 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 医長 (40324777)
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研究分担者 |
大島 至郎 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 部長 (50362728)
大前 陽輔 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 特任研究員 (70722552)
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 講師 (20580559)
冨田 裕彦 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60263266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | MTX-LPD / GWAS / トランスクリプトーム解析 / 統合的解析 / SNP / ジャポニカアレイ |
研究実績の概要 |
近年のメトトレキサート(MTX)の普及とともに、MTX 関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の発生が増加しており、これが日常の関節リウマチ(RA)診療における解決すべき課題の一つとなっている。MTX-LPD は、RA 治療薬である MTX の低容量投与中に発生するリンパ増殖性疾患(LPD)で、時に 『リバーシブルなリンパ腫』という興味深い病態を示す。本疾患は薬剤関連疾患で、その発症には個人差があり、疾患を発症する患者と発症しない患者とに分けられ、これは個人の薬剤の感受性・応答性に依存するものと考えられる。近年個人の個々の薬剤に対する感受性・応答性の差が遺伝的違い即ち遺伝子多型(SNP)の違いによって生じることが報告されていることより、 MTX-LPDの発症や病態に宿主側のSNPが関与することが予想できる。 本研究では文書で同意を得たLPDを発症したRA患者の血液検体を使用し、ジャポニカアレイを用い日本人に適したゲノムワイド関連解析(GWAS)によるSNP解析とRNAトランスクリプトーム解析を実施し、これらを統合的に解析する。本解析によりRA患者におけるMTX-LPD発症およびMTX依存性のreversibleな病態を示す症例の個体間のゲノム配列の違い(遺伝的素因)が解明されることが期待でき、我が国の健康・医療戦略に合致したRA診療における『ゲノム医療の実践』が可能となることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国の主要なリウマチ関連施設35施設による多施設共同研究を実施し、リンパ増殖性疾患(LPD)を発症したリウマチ患者238例とその対照としてLPDを発症していないRA患者の血液検体を用いてジャポニカアレイによる日本人に適したゲノムワイド関連(GWAS)法による遺伝子多型(SNP)解析を行った。用いたプローブは659、636個のSNPについてで、これにインプテーション解析を加えた(平成29年度~31年度基盤研究(C)17K08734)(詳細未発表)。今年度はGWAS解析に使用した血液検体で利用可能な191例につきRNAトランスクリプトーム解析を実施し、mRNAレベルでの遺伝子発現状況を網羅的に解析した。現在、GWAS解析結果とトランスクリプトーム解析結果につき統合的解析を行っている
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今後の研究の推進方策 |
GWAS解析とRNAトランスクリプトーム解析結果の統合的解析の結果、得られた遺伝子変異につき、機能解析、臨床的解析を加えた検証を実施する。さらに、それにより得られた遺伝子変異がRA患者におけるMTX-LPDの発症予防や発症後の治療にどのように結び付くかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
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