研究課題/領域番号 |
20K07394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
村上 和成 大分大学, 医学部, 教授 (00239485)
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研究分担者 |
守山 正胤 大分大学, 医学部, 客員研究員 (90239707)
泥谷 直樹 大分大学, 医学部, 准教授 (80305036)
兒玉 雅明 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (20332893)
沖本 忠義 大分大学, 医学部, 准教授 (90381037)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 抗癌剤抵抗性 / 胆管癌 / 胆汁 / オルガノイド |
研究成果の概要 |
個々の患者から樹立した癌オルガノイドは、抗癌剤感受性を予測する重要なツールとなりうる。我々は胆汁由来の胆管癌オルガノイドの樹立を試みた。本研究期間中に68症例の胆管癌患者から胆汁を採取して、うち60症例でオルガノイド樹立に成功した。遺伝子解析の結果、15%の症例でKRAS 変異を、55%でTP53変異を認めた。樹立したオルガノイドは癌オルガノイドに加えて正常胆管上皮由来のオルガノイドを含んでいることが示唆されたため、癌オルガノイドを濃縮する方法を探索した。その結果、培養の継代や免疫不全マウスへの移植に加えて、TP53変異を有する症例についてはMDM2阻害剤の添加が有用であることが分かった。
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自由記述の分野 |
人体病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
診断目的で採取した胆汁を用いて胆管癌オルガノイドを樹立する方法は、従来の生検組織や手術検体から樹立する方法に比べて、非侵襲的であり、手術不能な進行癌症例にも適用される。また、同一患者から経時的に癌オルガノイドを樹立することができるため、癌の進展に伴う悪性形質の変化やその原因となるドライバー遺伝子の検索に有用である。今後、抗癌剤や分子標的治療薬の感受性を予測するための体外診断ツールとして臨床応用され、胆管癌患者の治療成績の改善に寄与することを期待する。
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