タイト結合は細胞間接着装置のうち最も外界に接して存在しており、周囲の酸化還元環境に影響されている。今回の研究ではオクルディンのジスルフィド結合を介した酸化還元とタイト結合機能変化やユビキチン化の関与を示している。このような報告は他に類を見ないものであるとともに、これらのメカニズムの解明により、皮膚や腸管、血管などのバリア機能の調節や破綻による疾患の理解、治療戦略の解明が進む。また、癌と酸化ストレスは深い関係にあり、発癌メカニズムの理解や癌進行のメカニズム解明だけでなく、癌治療への応用が期待できる。
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