分化型粘膜内腫瘍を腸型、胃型、分類困難型(特殊型)に分類し、上記の組織型に基づいたオミックス解析を行なった。腸型は低グレード上皮内型、高グレード上皮内型、粘膜内浸潤癌に分類できるが、低グレード上皮内型と高グレード上皮内型は前者が後者の前駆病変ではなく互いに独立した組織型の可能性が示唆された。加えて粘膜内癌は高グレード上皮内型より進展することが示された。胃型は腺窩上皮型、幽門腺型、胃底腺型に分類できるが、特に腺窩上皮型のゲノム上の構造変化が高度であることが示された。手繋ぎ型においても独立した分子病型であることが示唆された。上記の結果から組織型に基づいた新しい胃癌の分子腫瘍発生仮説の確立を目指す。
|