研究実績の概要 |
経時的に2回以上のリンパ節もしくは腫瘍生検が行われた、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma, DLBCL)を東海大学医学部付属病院病理診断センター診断ファイルから抽出したところ、23症例、46検体を得た。 HE染色切片と病理組織切片を用いた免疫組織化学を行った。次にそれぞれの病理検体(ホルマリン固定パラフィン包埋組織、Formalin-fixed paraffin-embedded tissue, FFPE)の薄切切片からDNAを抽出し、免疫グロブリン重鎖遺伝子(Immunoglobulin heavy chain gene, IGH)のPCR増幅とSanger sequenceに行い、IGH可変領域(IGHV)およびIGH-CDR3領域の解析を行い、経時的に行われたDLBCLのB細胞クローンが同一か(真のDLBCL再発)、異なるか(真の再発ではない新規DLBCL発生)を決定できた。 今後、MYC, BCL2, BCL6遺伝子についてのFISH解析やFFPEからRNAを抽出し、網羅的な発現解析(Gene expression profiling, GEP)を行い、DLBCL再発時の腫瘍形質の変化、また、新規DLBCLとしての再発DLBCLについて、腫瘍細胞の形質や微小環境を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Gene expression profilingを行うための遺伝子解析キットの購入が、令和2年度から令和3年度にずれ込んだため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額と令和3年度分を合わせた2,239,894円について、遺伝子解析キット(2,000,000円)、追加免疫組織化学キット(239,894円)として使用する計画である。
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