内皮細胞特異的なBMPシグナルの欠損により、肺高血圧症モデルマウスを作成することができた。この遺伝子改変マウスの解析からは、肺高血圧症の発症メカニズムと治療薬の開発に繋がる可能性が高い。さらに、がん悪性化因子としても働くTGF-βは、腫瘍の血管内皮細胞やリンパ管内皮細胞にも影響を与え、転移促進に働くことを明らかにした。内皮細胞のTGF-β阻害は、がん転移を抑制する治療薬の開発に繋がると考えられる。また、TGF-βファミリーに属するミオスタチンの阻害薬により、効果的な筋肉増強効果を認めた。特にがん悪液質モデルマウスでは食事摂取量増加と筋肉消耗阻害が治療ポイントになることを報告した。
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