研究課題
基盤研究(C)
糞線虫感染後の寄生虫種非特異的な感染抵抗性(訓練免疫)にIL-33によるILC2活性化が必須である。同様にILC2を活性化するTSLPの糞線虫感染抵抗性における役割を検討したところ、TSLPは感染初期の抵抗性にCD4陽性T細胞非依存性にも関与することがわかった。TSLPの訓練免疫における影響を検討したところ、TSLPRKO/C57BL/6マウスでは訓練効果を示さなかった。IL-33誘導に関わるRBBP9欠損マウス、IL-13欠損マウスでも同様に訓練効果はみられなかった。以上より、訓練免疫に重要なメモリーILC2誘導にTSLPとIL-33の発現誘導が重要であると考えられた。
寄生虫免疫
ILC2は感染免疫に貢献する一方でアレルギーなどの炎症性疾患でも増悪因子として働く。メモリー様ILC2は慢性アレルギー性疾患で関与すると考えられ、その誘導機序の解明は慢性アレルギー疾患の病態解明に重要である。本研究ではTSLPやRBBP9, IL-13などの因子が寄生虫感染による訓練免疫獲得に必須であることを見出したが、これらの因子はメモリー様ILC2誘導を介して慢性アレルギー疾患でも増悪に関与すると考えられ、新たなアレルギー性疾患御治療戦略の新たな標的となり得る。