研究課題/領域番号 |
20K07470
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松崎 素道 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (00511396)
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研究分担者 |
永宗 喜三郎 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (90314418)
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | トキソプラズマ / 有性生殖 / QTL解析 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、日本で分離された遺伝子型と表現型に特徴がある株を材料として用い、中間宿主であるマウスの腸内で交雑させた株を多数取得し、ゲノムリシーケンスにより得たSNP情報を使ったQTL解析によって新規の病原性因子を同定することを目的とする。 本研究で用いる岐阜株は、マウスに病原性を示さないCTG株と遺伝的にほぼ同一であり、2株間でアミノ酸配列に変化がある遺伝子は100に満たないが、マウスに対して明確な病原性を示す。そこで岐阜株とCTG株のそれぞれについて、誘発突然変異により薬剤耐性株を作出して交雑親株とする。トキソプラズマの交雑実験を行うには、従来動物実験施設の管理運営上のハードルが存在していたが、2019年にマウス腸内で有性生殖を行わせる実験系が報告されたため、これを応用して交雑実験を行う。得られた交雑株を薬剤でスクリーニングし、ゲノム配列を取得することでSNP情報を用いたQTL解析を行い、病原性因子を推定する。最終的に交雑親株の病原性候補因子を破壊して、岐阜株とCTG株の双方の遺伝子型を相補した株を作出し、病原性を評価することで新規病原性因子を同定するという計画である。 しかしながら、研究期間の開始とともにCOVID-19の感染拡大が起こり、新規の実験を開始することができなかった。とくに長期に渡る培養実験や動物実験は、感染拡大が繰り返し先が見通せない状況では着手困難であった。そのため、本年度は文献調査やオンライン学会への参加によって情報収集につとめたのみで、実質的な研究成果は得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19とくにオミクロン株による感染拡大が繰り返し、研究代表者の所属部署においては、本年度も実質的に在宅勤務態勢となった。1つの実験が2~3ヶ月と長期に渡るため、感染拡大が繰り返し先が見通せない状況では実験に着手すること自体が大きなリスク要因であり、部分的に推進することも断念せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り研究計画は丸2年遅延しているが、ワクチン接種の進展により状況は改善しつつあるため、研究を開始する方針である。具体的には、誘発突然変異による交雑親株の作出を進めるとともに、Δ6-desaturaseの阻害剤SC-26196を投与することでマウス腸内でトキソプラズマの有性生殖を行わせる実験系の再現実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を伴う研究を開始することができていないため、それに関係して計上した必要経費の大部分は未執行である。本年度は実験の開始に向けて必要な消耗品の準備を行い、上記のとおり実験を開始する。状況改善を見据えながら研究を推進していく。
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