研究課題/領域番号 |
20K07472
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
永宗 喜三郎 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (90314418)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | トキソプラズマ / 細胞内寄生 / ミトコンドリア |
研究実績の概要 |
本研究ではまず、新たなリクルート因子候補として同定済みの2つの遺伝子産物が実際にリクルートに関与していることを、リバースジェネティクス的手法を用いて明らかにする。これらの遺伝子は原虫の増殖に必須であることが示唆されているので、CHRISPR/CAS9系(mBio (2014), PLoS ONE (2014))を用いたノックアウト原虫の作製が不可能である可能性が高い。そこでこれらの遺伝子がノックアウトできなかった場合はテトラサイクリンを用いた発現制御系か、あるいはDestabilizing Domain(dd)の付与により Shield-1の有無で発現をコントロールできるコンディショナルノックアウトの系(Nat. Methods (2007))を用いて機能を解析する。現在これらの作成に必要なコンストラクションの作成に成功し、あとは実際に原虫に導入するのみの状態である。調べる表現型としては、まずはミトコンドリアおよび小胞体のリクルート活性の変化、そしてin vitroおよびin vivoにおける増殖能の変化を想定している。同じミトコンドリアのリクルート因子であるMAF1bとROP39を比較しても、MAF1bはROP39と比べリクルート活性は強いものの原虫の増殖には影響が見られず、逆にROP39はリクルート活性こそMAF1bに劣るものの原虫の増殖能力に大きく影響を与えていた。この理由は現時点では明らかではないが、トキソプラズマの宿主ミトコンドリアリクルート因子は増殖能への影響の有無により少なくとも2つのクラスに分類が可能であることが示された。そこで今回新たに同定した2つのタンパク質は原虫の増殖能力に影響を与えるかどうかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響のため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はコロナ禍の影響もあり、当初の想定より若干の進捗遅れがある。しかしその遅れは来年度には充分取り戻せる程度であると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ禍の影響で進捗に遅れが生じ、その分予算の消化にも遅れが生じている
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