現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、枯草菌YabG(Sporopain)の基質特異性と自己分解能における、基質認識配列を明らかにしてた。Sporopainは芽胞形成時に芽胞形成タンパク質(SpoIVA, CotF, CotT, YeeK, YxeA, YrbA)を分解することが知られているが、どの部分で分解されるのか明らかにされていない。予備実験においては芽胞形成タンパク質の中には短時間で、数kDa以下に分解されるものもあれば、限定的な配列で分解されるものもあることを明らかにした。 また、並行して、構造解析に向けた結晶化条件のスクリーニングを行なっている。これまでに基質となる芽胞タンパク質の1つの結晶化条件を決めることができた。YabG変異体の結晶化条件のスクリーニングは、精製条件、タンパク質の安定化条件の決定を行った。 芽胞形成菌は、好気性菌のBacillii 網と嫌気性のClostridia 網の菌が存在し、それらの菌のほとんどにSporopainは保存されている。Clostridia 網 に属するClostridium sporogenes 由来のSporopainにおいても解析を進めており、枯草菌YabGとは基質特異性が異なる点があることや、酸性領域での比活性の違いも明らかにしてきた。
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