いまだに培養法が確立されておらず、その性状についてはほとんど不明である新規な細菌IOLAは、小児鼻汁検体において5.4%(103/1,920検体)頻度で検出された。IOLAの検出には地域性、季節性は認められず、症状における検出頻度の違いも認められなかった。IOLAの病原性については未だ不明であるが、IOLA 16S rRNA遺伝子配列には、5つの配列系統が存在し、系統別の病原性に違いがあることが強く示唆された。また、ヒト由来気道上皮細胞との共培養により IOLAの増殖が可能であることが示された。本研究で得られた成果は、IOLAの培養法の確立や病原性の解明に極めて有用な情報になると考えられる。
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