研究成果の概要 |
本研究ではGattii型クリプトコックス症に対する不活化経鼻ワクチンを開発した. このワクチンは, 肺常在性記憶Th2細胞=lung TRM2と肉芽腫を誘導し病態を改善した. IL-4/IL-13二重欠損 (DKO)マウスでは, 肉芽腫形成が減弱しワクチン効果は消失した. Lung TRM2をRag-1欠損マウスに移入すると感染抵抗性が惹起された. 抗原存在下でlung TRM2とマクロファージを共培養すると多核巨細胞 (MGCs)が誘導され, DKOマウスのlung TRM2はMGCsを誘導しなかった. 以上の結果から, lung TRM2が肉芽腫を誘導し感染を抑えると結論した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は, 肺常在記憶Th2細胞 = lung TRM2の肺クリプトコックス症に対する防衛的役割を明らかにした. lung TRM2は好酸球を誘導するものの, 好酸球だけでは十分な感染防御効果は得られず, II型肉芽腫を誘導することでクリプトコックス症を制御した. Lung TRM2はマクロファージとの共培養で多核巨細胞を誘導した. これらの新しい知見は, クリプトコックス症ワクチンの開発において有益である.
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