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2021 年度 実施状況報告書

コロナウイルス膜融合蛋白の活性化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K07519
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

松山 州徳  国立感染症研究所, インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター第2室, 室長 (90373399)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードコロナウイルス / MHV / 構造変化 / スパイク / S蛋白 / 膜融合
研究実績の概要

コロナウイルスはその表面に存在するスパイク蛋白を用いて、ウイルス膜と細胞膜を融合させ、ウイルス遺伝子を細胞内へ送り込む。しかしどうやってスパイク蛋白が膜を融合させているのか、その動作機構は未解明である。コロナウイルスはスパイク蛋白の活性化に宿主細胞プロテアーゼを必要とする点において、これまでよく研究されてきたインフルエンザウイルスやレトロウイルスとは異なるため、その特徴を利用した解析法により新たな研究の展開が期待できる。我々は、ウエスタンブロット法によりスパイク蛋白のプロテアーゼ分解産物を解析することとにより、構造変化の中間体構造を推測している。本研究は、既存の構造生物学技術では解析できない、不安定なタンパク質を解析するための新たな技術の提案と、抗ウイルス薬開発のための新たな標的の提案につながる、基礎研究である。
申請者が2019年に提案したコロナウイルスSpikeのpriming段階のモデルは、既存のクラスⅠ膜融合蛋白のモデル「膜結合・ホモ三量体・プレヘアピン構造」とは大きく異なる。新しく提案した構造は、ホモ三量体のそれぞれがもつHeptad Repeat (HR)の三本の手のうち、少なくとも一本は膜に突き刺さり、少なくとも一本は折りたたまれた非対称構造であり、続いて起こるtriggeringの段階においてコンパクトで矛盾の無い構造変化を可能にするはずである。このモデルは、レセプターとトリプシンで活性化されたSpikeのトリプシン分解産物をウエスタンブロット法で解析することにより推測された。本研究ではこのpriming段階のモデルが正しいことを再度証明するとともに、続いて起こるtriggering段階の構造変化を解明すべく、解析をおこなっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2019年の新型コロナウイルス発生に伴って、2年間ほどは行政対応に時間を要したため、研究の進捗が遅れることとなった。

今後の研究の推進方策

マウスのコロナウイルスを用いて構造変化中間体を検出する特異抗体を作成するために、ペプチド抗体を12種類を発注している。また新型コロナウイルに対しても同様の検出を行うために、準備を行っている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの発生に伴い、緊急の対応に従事する部所であったため、研究が遅れることとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The Anti-Influenza Virus Drug Favipiravir Has Little Effect on Replication of SARS-CoV-2 in Cultured Cells2021

    • 著者名/発表者名
      Tomita Yuriko、Takeda Makoto、Matsuyama Shutoku
    • 雑誌名

      Antimicrobial Agents and Chemotherapy

      巻: 65 ページ: 20-21

    • DOI

      10.1128/AAC.00020-21

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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