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2020 年度 実施状況報告書

I型アレルギーでのアレルゲン特異的IgE生成におけるIgD抗体産生細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K07537
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

藤堂 景史  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50452561)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードIgD / IgE / I型アレルギー / 抗体
研究実績の概要

当研究は、I型アレルギーの原因となるアレルゲン特異的IgE抗体の産生メカニズムを明らかにするために、IgE抗体と相関的に発現が誘導されるアレルゲン特異的IgD抗体の動態に着目し、アレルゲン特異的IgD抗体の分子特性やこのIgD抗体の発現によるIgE抗体産生への関わりを明らかにすることを目的としている。これまでにアレルギー鼻炎モデルマウスの病態部位である鼻粘膜免疫組織にIgD抗体分泌細胞が集積していることを明らかとしてきたが、抗原受容体としてのIgD分子の存在は古くから知られているにも関わらず、抗体としてのIgDの生理的役割はほとんど明らかでない。そこで本年度はIgD抗体の分子特性を明らかにすることを目的とし研究を行った
これまでに、モデル抗原であるタンパク抗原をマウス腹腔に投与することで、抗原特異的IgD抗体を誘導できることを明らかとしている。しかしながら、この抗原特異的IgDがどのようなメカニズムで産生されるかは明らかではない。多くの抗原特異的抗体は胚中心と呼ばれる微小環境内で生成されるため、このIgD抗体が胚中心で生成されるか否かの検討を行った。抗原投与10日後での脾臓の胚中心B細胞を単離しRNAレベルでのIgD抗体の発現を確認したところ、IgD抗体は胚中心内で生成されていることを明らかとした。次にこのIgD抗体の可変部領域のDNA配列を調べた。IgMとIgDはalternative splicingによって発現制御されているためIgMとIgDの抗原特異性に差はないと考えられるが、可変部断片の使用頻度を調べたところ明らかにIgMとIgD抗体とで使用されている可変部断片が異なっていたことから、IgD抗体の産生はこれまで考えられている抗体産生メカニズムとは異なるメカニズムであることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はIgD抗体の特性の解析を行なってきた。本来の予定では、アレルギー鼻炎モデルを使用し、そこで産生されるIgD抗体を対象に解析を行う予定をしていたが、より容易な解析と結果が明確できるように、本来のモデルとは異なる腹腔への抗原投与モデルを代替で用い解析を行なった。その結果、これまで未知であったIgDの産生メカニズムの一端を明らかにすることができたことから、本研究は概ね順調に進展していると考える。今後はこの知見を元に、元々予定していたアレルギー鼻炎モデルにおいても同様の解析を行なっていく予定である。

今後の研究の推進方策

本研究は概ね順調に進展している。従って、申請書に記載した研究計画どおりに今後はアレルギーモデルマウスを用いることで、IgD抗体の動態およびIgD抗体とアレルゲン特異的IgE抗体産生との関連性を明らかにしていく予定である。
また、従来の研究計画に加え、より詳細なIgD抗体の分子特性を明らかとするために、モデル抗原特異的なリコンビナントIgDを作成し、分子としてのIgDの性質を明らかにする試みも行う予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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