研究課題
基盤研究(C)
野生型マウスと比べて酸化ストレス状態に陥りやすい xCT 欠損 (xCT KO) マウスでは、敗血症時に NK 細胞の IFN-γ 産生能が低下する。この IFN-γ 産生能の低下は、遺伝的な NK 細胞の機能不全や IFN-γ 産生を誘導するタンパク質の発現の違いによるものではなく、敗血症時に体内の酸化ストレス状態が野生型マウスよりも亢進することが原因で生じた可能性が示唆された。
免疫学
一般的に酸化ストレスは、炎症性疾患の増悪・慢性化やがんの発症につながると考えられている。しかし、本研究結果は、酸化ストレスが NK 細胞の働きを抑制することで敗血症のような全身性炎症反応が過剰に起こらないよう働いている可能性を示すものであり、炎症性疾患の治療おいて酸化ストレスを抑制することが悪化に繋がる可能性があることを提起するものである。