研究課題
上皮組織は無血管であることより、肺CD8 TRMの維持におけるグルコース要求性は低いと想定される。その場合、オートファジーがCD8 TRMの維持に寄与している可能性が示唆される。そこで、Atg5を欠損したオートファジー不全CD8 TRMの維持を調べたところ、野生型CD8 TRMと同程度に維持されることがわかり、肺CD8 TRMの維持にオートファジーは不要であることが判明した。更に、同様の実験を食事制限下で行うと、循環型メモリーCD8T細胞は激減するものの、Atg5欠損及び野生型肺CD8 TRMの数は減少しなかった。このことより、肺CD8 TRMは飢餓状態においてもオートファジー非依存的に維持されることが判明した。肺CD8 TRMの維持に脂肪酸の関与が示唆されたため、脂肪酸組成の異なる特殊給餌を与えたところ、必須脂肪酸であるリノール酸を多く含む大豆油餌、αリノレン酸を多く含む亜麻仁油餌の給餌はどちらも肺CD8 TRMの維持に影響を及ぼさなかった。肺より分離したTRMの脂肪酸取り込み試験ではパルミチン酸の取り込みが顕著であったことより、肺CD8 TRMのグルコース非依存的維持にはパルミチン酸が大きく関与していることが示唆された。
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