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2020 年度 実施状況報告書

抗腫瘍獲得免疫・NK細胞非依存の新規がん転移抑制ニッチの解明および治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K07592
研究機関九州大学

研究代表者

弓本 佳苗  九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員 (30596838)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードcancer niche
研究実績の概要

原発がんは転移する前に液性因子を介して転移先の臓器に影響し、骨髄由来細胞を中心とした“前転移(促進)ニッチ”を形成すると言われてきた。しかし、申請者らが前転移(促進)ニッチの根拠となる実験を、先行論文に倣い全く同じ細胞・実験系で再現しようとしたところ、予期せぬことに先行研究の再現は取れず、逆に原発がんの存在ががん転移を劇的に抑制していることを発見した。
どのような細胞ががんニッチに集積しているかを解析するため、がんニッチ細胞を様々な細胞表面タンパク質の抗体で染色したところ、とある細胞表面タンパク質が優位にがんニッチに集積することを発見した。この細胞表面タンパク質は、血液中や脾臓、また転移しない臓器においては蓄積が見られなかったことから、がんニッチに特異的に集積していることが示唆された。
この細胞表面タンパク質の抗体を投与することにより、がん転移が亢進するかを確認したが、予期せぬことに、がん転移はむしろ抑制された。この結果より、この細胞表面タンパク質は複数の種類の細胞に反応しており、がんニッチに集積するのはそのうちの一部であると推測している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の研究により、解析すべきがんニッチ細胞の特徴の1つが検出できた。このことより、次年度以降に予定しているsingle RNA seq 解析をさらに深い条件で解析が可能となった。

今後の研究の推進方策

当初の予定であったEGFPを発現した骨髄細胞を移植したマウスと、がん細胞を取り囲む細胞をラベル出来るシステムを用いた、がんニッチ細胞を回収の系に加えて、新たに上述のマーカーを発現いている細胞という条件を加え、single cell RNA-seq解析をおこない、転移抑制ニッチに特異的な細胞群を決定する。併せて、どのようなシグナルが転移抑制ニッチを形成するかを見出す。さらに、原発がん非存在下でも“転移抑制ニッチ”を誘導する治療法の開発によりがん転移の予防につなげたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Recent insight into the role of FBXW7 as a tumor suppressor2020

    • 著者名/発表者名
      Yumimoto Kanae、Nakayama Keiichi I.
    • 雑誌名

      Seminars in Cancer Biology

      巻: 67 ページ: 1~15

    • DOI

      10.1016/j.semcancer.2020.02.017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] F-Box Proteins and Cancer2020

    • 著者名/発表者名
      Yumimoto Kanae、Yamauchi Yuhei、Nakayama Keiichi I.
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 12 ページ: 1249~1249

    • DOI

      10.3390/cancers12051249

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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