研究課題/領域番号 |
20K07599
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
村木 克彦 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (20254310)
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研究分担者 |
鈴木 裕可 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (00581026)
波多野 紀行 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (50454319)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | PIEZO / cancer cells / mechanosensitive / ion channel |
研究実績の概要 |
2022年度には、2年がかりで進めていたトリPiezo1(gPiezo1)のクローニングに成功し、gPiezo1を強制発現させたHEKを用いて、その薬理学的・電気生理学的特性を詳細に解析した。その結果、gPiezo1はhPiezo1と比較し、細胞膜発現の効率が数十倍高いこと、hPiezo1活性化薬のYoda1の感受性も数倍高いこと、アミノ酸の相同性が60-70%であったgPiezo1もhPiezo1と同様、圧力感受性を示すが、その不活化特性が弱いこと、などが明らかとなった(村木、Ion Channel Modulation Syposium(ICMS)で招待講演、2022年6月、英国、ケンブリッジ)。さらに設備備品として培養細胞シートに伸展刺激を負荷する伸展装置を設置し、様々な実験条件下における細胞伸展負荷時の細胞の性質変化の検討を開始した。その結果の一部として、Yoda1によるPiezo1の活性化と細胞伸展負荷によるPiezo1活性化は、その下流シグナルが異なることを見出している。3年間の研究成果で、Piezo1に関する解析は順調に進めることができた。とくにPiezo1の詳細な3次元構造データが公表され、種差を基にしたPiezo1タンパク中の重要なアミノ酸の同定が可能になったことは大きい。このデータと本成果から、gPiezo1の構造中に伸展刺激を増幅する可能性のある構造ドメインを見出した(ICMSで発表)。一方、Piezo2のクローニングに関しては、まだ成功しておらず作業を継続中である。
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