蛋白質のO-GlcNAc化修飾は、グルコースの代謝産物GlcNAcを特定のSer/Thr残基に1分子付加する反応である。本研究により、解析対象の新規O-GlcNAc化分子の修飾部位が判明し、また本修飾が細胞増殖を司るMAPK経路の活性亢進に寄与することが分かった。さらに、細胞内グルコース濃度の上昇に応じて本分子のO-GlcNAc修飾が増加すると、MAPK経路の制御分子との相互作用性が変化し、増殖シグナルが惹起されることを見出した。さらに、癌細胞ではグルコースの取り込み・代謝亢進と一致して本分子のO-GlcNAc化も増加しており、MAPKシグナルの異常活性化と増殖能を促進していることが示された。
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