研究成果の概要 |
RB機能の喪失がSREBP-2の発現上昇、コレステロールを出発点とするアンドロゲンの生合成を亢進させる可能性がある。本研究から以下の結果が明らかになった。・ホルモン除去培地におけるRb1 K.O. LNCaP細胞増殖。・Rb1 K.O. LNCaP細胞、核画分におけるAR, E2F1, SREBP-2のタンパク質発現増加。・Rb1 K.O. LNCaP細胞スフェア形成が亢進。・Rb1 K.O. LNCaP細胞増殖抑制に対してスタチンが有効。これらの結果から新規RB代謝制御機構が明らかになる事が期待され、さらには進行前立腺がんの新規治療方法開発やスタチンの適用外使用が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺がんの治療後、多くの場合は数年で耐性を獲得し去勢抵抗性前立腺がんへと移行する。去勢抵抗性前立腺がんの70%においてRBがん抑制遺伝子産物の機能が喪失し、そのことが患者の予後不良とよく相関することが報告されている(Schrecengost R., Knudsen KE., Seminars Oncology, 2013)。また、多くのがん腫において、RBの機能喪失は悪性進展を促進することが知られている。本研究結果から新規RB代謝制御機構も解明が期待される。またスタチンの有効性が期待されることから、適応外使用を含む進行前立腺がんの新規治療方法開発が期待できる。
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