近年、加齢とPD-1抗体治療効果の低下との相関が示唆されてきているが、加齢に伴うPD-1抗体治療耐性の機構はほとんど明らかになっていない。申請者らは、高齢マウスにおいて見られるPD-1経路阻害治療効果の低下と新たなCD8陽性細胞群(P4)の誘導阻害が相関していることを見出していた。本研究により、P4細胞誘導阻害には抗原依存的なナイーブ細胞からの分化抑制が関与し、1炭素代謝経路の異常を引き起こすことで加齢に伴うPD-1抗体治療耐性に関与することが明らかになった。さらに、これらの現象には抑制性フォスファターゼがTCR経路を抑えることでPD-1阻害治療の効果を阻害していることが示唆された。
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