今後の研究の推進方策 |
潜在期の骨微小環境において特異的に発現する遺伝子群の同定する目的で、潜在期の骨微小環境においてがん細胞の生存に関与する因子は、骨微小環境由来の潜在期のサンプルでのみ発現すると考えられる。従ってEx.1で得られたサンプルを用いて東レmicroarrayにより遺伝子発現を検索する。潜/骨でのみ発現上昇/低下がある遺伝子を、微小環境において、潜在期のがん細胞の生存に関与するに遺伝子群とする。 さらには、潜在期の骨微小環境でのがん幹細胞に特異的な遺伝子の同定する目的で、in vivoでの組織を用いた検索では特異的な因子を絞り込めない可能性がある。そこで我々は微小環境におけるがん幹細胞を単離する方法を用いて、がん細胞に発現を示す遺伝子を検索することで、候補遺伝子を絞り込む。Ex.1と同じ方法でそれぞれの微小環境から組織片を作成する。これらの組織片をコラゲナーゼ処理してsingle cellを作成し、培養プレート上に30分培養した後非接着細胞を回収する。3D culture (96 well) で72時間培養しspheroidを形成したがん細胞をがん幹細胞として回収する(潜/骨/3D, 顕/骨/3D)。同様に通常の方法で96well plateで72時間培養したがん細胞を対照として回収する(潜/骨/2D, 顕/骨/2D)。それぞれの細胞からRNAを抽出し、東レmicroarrayにより遺伝子発現を検索する。潜/骨/3Dでのみ発現上昇/低下がある遺伝子を、潜在期の骨微小環境でのがん幹細胞に特異的な遺伝子群とする。Ex.1でおよびEx.2で共通した因子を微小環境において、潜在期のがん細胞の生存に関与する遺伝子とする。
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