現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究により、GGCTががんにおける低酸素応答シグナルの全く新規の制御因子であることを、世界で初めて報告した(Cancer Gene Ther, 29:37-48, 2022)。また、膠芽腫幹細胞モデルにおいて、ヘッジホッグ経路のエフェクター転写因子である Gli2の発現が、これらの腫瘍形成能に重要な役割を果たすことを発見した(Cancer Gene Ther, 28:1339-1352, 2021)。さらに、低酸素により誘導される因子としてStat5bが膠芽腫幹細胞を攻撃するための標的として有望であること(Am J Cancer Res, 12:1129-1142, 2022)、GGCTと結合する因子であるPHB2の阻害剤はp21の誘導を介して膠芽腫細胞を含むがん細胞の増殖を効率よく抑制すること(Molecular Pharmacol, 101:78-86, 2022)、ミトコンドリア複合体I阻害剤は膠芽腫細胞の進展を制御するNFATの発現を抑制すること(Biochem Biophys Res Commun, 591:62-67, 2022)、さらに、GGCTを標的としたアンチセンス核酸が生体内腫瘍の進展を抑制すること(Anticancer Res, 42:1221-1227, 2022)、新規のGGCT阻害剤としてU83836Eという化合物をみいだし、生体内腫瘍の進展を抑制することをみいだした(Biochem Biophys Res Commun, 549:128-134, 2021)。
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