海洋天然物ラメラリンNの新規合成誘導体から、ナノモルレベルでサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を広く阻害する化合物(Azalam4)を見出した。本剤は、調べた39種のがん細胞株のうち4種にのみ低濃度でアポトーシスを伴う強い抗がん効果を示し、先行開発された複数の転写調節型CDK阻害剤と抗がん特異性や遺伝子発現変動が類似した。また、上記のがん細胞株に対して動物モデルでも著効した。本剤は、他のCDK阻害剤と比較して最も高い抗がん特異性を示したことから、本剤をリードとした新たな転写調節型CDK阻害剤の開発が期待される。
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