糖尿病患者の唾液メタボローム解析による膵癌早期診断の可能性に関する研究

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 20K07633
• 研究機関: 山梨大学
• 研究代表者: 川井田 博充 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (00345711)
• 研究分担者: 板倉 淳 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10252032) ; 市川 大輔 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20347446) ; 杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963) ; 河野 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40322127) ; 細村 直弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60402070) ; 雨宮 秀武 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70377547)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2025-03-31
• キーワード: 膵臓癌 / メタボローム / 唾液 / 新規糖尿病

研究実績の概要

今年度はこれまでに採取した膵腺癌症例（PC群）と、対象としての嚢胞性病変（IPMNを含む）（B群）と健常者（C群）の唾液標本の解析結果を欧州膵臓学会（2020年7月）で発表した。さらに、データの精度を向上のため、サポート・ベクター・マシーンと定量的決定木Adtree (Alternative decision tree)の組み合わせにより、相関に関係なく幅広い変数を同時に考慮して、高精度に識別する数理モデルを開発した。データは複数に分割して多施設データを模擬した評価試験を行い、またデータ解析上での評価試験も多数行った。具体的には最初に同一検体を何度も測定し、測定装置におけるデータのバラつきを確認し、これらを仮想的にノイズとしてデータ付加し、それでも精度が劣化しにくいモデルを開発した。クロスバリデーション試験やブートストラップ検定も実施し、ノイズに強いロバストなモデルを構築した。これまでハイリスクグループとして検診センターの超音波検査上要精検者を対象として解析を進めてきたが、さらに膵癌と糖尿病の疫学調査に基づき、新規発症糖尿病患者（NOD:new onset diabetis）をあらたなハイリスクグループとして検体採取、解析システムの設計を行ってきた。検診センターでの一般検体受付を開始するための運用システム、スタッフ教育等を行った。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新規検体採取プログラムの実行を4月より予定していたが、COVID-19により連携関連施設自身の稼働が止まった事により開始が遅延した。

今後の研究の推進方策

連携関連施設の稼働状況が回復し協議事項に関する話し合いが進んだため、新規プログラむを実行する。

次年度使用額が生じた理由

外部施設における症例確保がCOVID-19の感染拡大に伴い遅延したため、解析症例が減ったため。

研究成果

• [雑誌論文] Anastomosis technique for pancreatojejunostomy and early removal of drainage tubes may reduce postoperative pancreatic fistula (2020)
  • 著者名/発表者名: Kawaida H, Kono H, Amemiya H, Hosomura N, Watanabe M, Saito R, Nakata Y, Shoda K, Shimizu H, Furuya S, Akaike H, Kawaguchi Y, Sudo M, Matusda M, Itakura J, Fujii H, Ichikawa D.
  • 雑誌名: World Journal of Surgical Oncology 巻: 12;18(1) ページ: 295
  • DOI: 10.1186/s12957-020-02067-4
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Early Drain Removal Regardless of Drain Fluid Amylase Level Might Reduce Risk of Postoperative Pancreatic Fistula (2020)
  • 著者名/発表者名: HIROMICHI KAWAIDA, HIROSHI KONO, HIDETAKE AMEMIYA, NAOHIRO HOSOMURA, YUDAI HIGUCHI, TAKASHI NAKAYAMA, ISAMU TSUKAHARA, RYO SAITO, NAOKI ASHIZAWA, YUUKI NAKATA, KATSUTOSHI SHODA, HIROKI SHIMIZU, SHINJI FURUYA, HIDENORI AKAIKE, YOSHIHIKO KAWAGUCHI, MAKOTO SUDO, JUN ITAKURA, HIDEKI FUJII and DAISUKE ICHIKAWA
  • 雑誌名: ANTICANCER RESEARCH 巻: 41(1) ページ: 403-408
  • DOI: 10.21873/anticanres.14789
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] miR-99a-5p as Possible Diagnostic and Prognostic Marker in Patients With Gastric Cancer (2020)
  • 著者名/発表者名: Saito R, Maruyama S, Kawaguchi Y, Akaike H, Shimizu H, Furuya S, Kawaida H, Ichikawa D.
  • 雑誌名: Journal of Surgical Research 巻: 250 ページ: 193-199
  • DOI: 10.1016/j.jss.2020.01.004
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Postoperative Complications have Minimal Impact on Long-Term Prognosis in Immunodeficient Patients with Esophageal Cancer (2020)
  • 著者名/発表者名: Maruyama S, Kawaguchi Y, Akaike H, Shoda K, Saito R, Shimizu H, Furuya S, Hosomura N, Amemiya H, Kawaida H, Sudo M, Inoue S, Kono H, Ichikawa D.
  • 雑誌名: Ann Surg Oncol 巻: 27(8) ページ: 3064-3070
  • DOI: 10.1245/s10434-020-08245-8
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Mortality calculator as a possible prognostic predictor of overall survival after gastrectomy in elderly patients with gastric cancer (2020)
  • 著者名/発表者名: Akaike H, Kawaguchi Y, Maruyama S, Shoda K, Saito R, Furuya S, Hosomura N, Amemiya H, Kawaida H, Sudoh M, Inoue S, Kohno H, Ichikawa D.
  • 雑誌名: World J Surg Oncol. 巻: 30;18(1) ページ: 283
• [学会発表] Analysis of saliva metabolites to develop early detection system for pancreatic cancer (2020)
  • 著者名/発表者名: Itakura J., Sugimoto M., Sunamura M., Saito R., Hosomura N., Amemiya H., Kawaida H., Okamoto H., Kouno H., Ichikawa D., Ootaka M., Yoda Y., Shindo H., Takano S. , Fukazawa M., Satou T.
  • 学会等名: 52nd Meeting of the European Pancreatic Club
  • 国際学会
• [学会発表] 膵癌術後再発症例に対するNab-Paclitaxel＋Gemcitabine有効症例の検討と2nd lineとしてのmFOLFIRINOXの効果 (2020)
  • 著者名/発表者名: 川井田博充，細直弘，雨宮秀武，塚原 勇，齋藤 亮，清水 浩紀，古屋信二，赤池英憲，河口賀彦，須藤 誠，河野 寛，進藤浩子，高橋 英，高野 伸二，深澤光晴，板倉 淳，藤井秀樹，市川大輔
  • 学会等名: 第106回日本消化器病学会総会
• [学会発表] Soft pancreas症例の膵液漏減少に向けての当科の膵空腸吻合⽅法と周術期管理の取り組み (2020)
  • 著者名/発表者名: 川井田博充，細村直弘，雨宮秀武，塚原 勇，齋藤亮，中田 祐紀，清水 浩紀，古屋信二，赤池英憲，河口賀彦，須藤 誠，井上慎吾，河野 寛，板倉 淳，藤井秀樹，市川大輔
  • 学会等名: 第120回日本外科学会定期学術集会
• [学会発表] 膵癌における術前化学療法がその後の治療に与える影響 (2020)
  • 著者名/発表者名: 川井田博充，細村直弘，雨宮秀武，仲山孝，齋藤亮，庄田勝俊，古屋信二，赤池英憲，河口賀彦，須藤誠，河野寛，井上慎吾，板倉淳，藤井秀樹，市川大輔
  • 学会等名: 第58回日本癌治療学会学術集会
• [学会発表] 高齢者に対する膵頭十二指腸切除術の治療成績 (2020)
  • 著者名/発表者名: 川井田博充，中田祐紀，細村直弘，雨宮秀武，雨宮秀武，塚原勇，齋藤亮，庄田勝俊，古屋信二，赤池英憲，河口賀彦，須藤誠，河野寛，板倉淳，藤井秀樹，市川大輔
  • 学会等名: JDDW 2020 KOBE