研究課題/領域番号 |
20K07640
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
伊東 竜哉 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10516636)
|
研究分担者 |
高澤 啓 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00593021)
竹政 伊知朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50379252)
信岡 隆幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50404603)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 胃癌 / Claudin-18.2 / 浸潤 / 転移 |
研究実績の概要 |
2021年度は、胃癌切除標本を用いた胃癌組織中のClaudin-18.2発現状況の解析を主に免疫染色法を用いて行った。特に前年度の研究で示唆された、原発巣と異時性再発巣でのClaudin-18.2発現パターンに着目し、対象症例のうち原発巣・転移巣のいずれも組織標本が入手可能な全22例について詳細な解析を行った。多くの転移組織で原発巣とClaudin-18.2発現パターンの相同性が観察された。また、原発巣癌先進部においてもClaudin-18.2の高発現を認め、周囲微小環境との関わりが示唆された。これらより、Claudin-18.2の抗体療法は進行再発胃癌に対して病理学的側面からも効果が期待できることと、Claudin-18.2が胃癌の浸潤転移成立メカニズムに関与することが示唆された。2022年度は以上の結果を踏まえて、①無再発例におけるClaudin-18.2の検討、②胃癌細胞株とcancer associated fibroblastとの共培養系でのClaudin-18.2発現状況の変化、について検討を加える予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃癌切除標本を用いた検討についてはほぼ計画通りに進行し、さらなる知見も得られた。一方で胃癌細胞株を用いた検討については遅れを来している。総合的には後者によってやや遅れを来している。
|
今後の研究の推進方策 |
切除標本の検討においては、再発例と無再発例のそれぞれについてClaudin-18.2発現状況の詳細を解析し、胃癌細胞株を用いた検討では、cancer associated fibroblastとの共培養系で、Claudin-18.2発現状況の変化を検討する。これらにより胃癌浸潤転移におけるClaudin-18.2の関与の詳細について解明する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
抗体等の物品購入を実験進捗に合わせて行う都合により、当該年度の使用額は予定より減少した。次年度は複数の抗体購入や細胞株実験を予定しており、次年度使用額と次年度請求分とを合わせて有効に活用予定である。
|