本研究では、血液(血清)や尿を試料としてラマン散乱光波形を取得する手法の確立に成功した。本技術により、血液(血清)や尿の既知・未知の微量物質を前処理なしで網羅的に検出、分析できるため、幅広い臓器のがん種に適用でき、高精度かつ低コストの超早期がん迅速診断が可能になると期待される。 また本技術により、がん以外の生活習慣病や先天性遺伝性疾患、感染症などの迅速診断にも応用できる可能性があり、極めて汎用性が高い技術である。 さらに、本技術により血液中のがん細胞を無標識で検出し、生細胞のまま採取して細胞機能解析を行うことで、がんの転移メカニズムの解明や新たな分子標的治療薬の開発に貢献できると考えられる。
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