研究課題/領域番号 |
20K07656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石原 幹也 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20707369)
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研究分担者 |
三輪 啓志 三重大学, 医学系研究科, 産学官連携講座准教授 (00209967)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | γδT細胞 / αβ-TCR / ミトコンドリア機能 |
研究成果の概要 |
αβ-TCRとCD8を発現する遺伝子改変γδT細胞(GMC)は、抗原特異的細胞傷害性と優れた持続性を示した。GMCのサイトカイン分泌は非遺伝子改変γδ-T細胞(NGMC)よりもATP合成酵素阻害剤により強く阻害された。メタボロームおよびトランスクリプトーム解析により、GMCはTCAサイクルと酸化的リン酸化をより利用していることが明らかになった。細胞外フラックスによるOCR/ECAR比は、GMCのミトコンドリア機能の利用が高いことを支持していた。 以上より、αβ-TCRを遺伝子導入したγδ-T細胞は、ミトコンドリアのエネルギー代謝を優先的に利用し、優れた持続性をもたらすと結論付けた。
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自由記述の分野 |
腫瘍免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
患者由来の細胞を用いた養子免疫療法では、以前に行われた抗悪性腫瘍薬の治療による自己リンパ球への影響により、思うような細胞増殖が得られないことがあるため、同種リンパ球を用いた養子免疫療法の開発が検討されている。αβT細胞にαβT細胞受容体(TCR)を遺伝子導入したT細胞においては、ミスマッチTCRにより予期しない有害事象を生じるリスクがある。このため、同種γδT細胞は、有害事象のリスクが低いT細胞製剤となることが期待される。十分な治療効果には持続性も肝要であるが、本研究はαβTCRを遺伝子導入したγδT細胞の持続性の機序を説明するものであり、この成果は更なる臨床開発につながるものである。
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