研究課題/領域番号 |
20K07660
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 伸治 岡山大学, 大学病院, 講師 (60362977)
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研究分担者 |
遠西 大輔 岡山大学, 大学病院, 研究教授 (20825096)
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 卵巣組織凍結 / 急性白血病 / 妊孕性温存 / 微小残存病変 |
研究実績の概要 |
「急性白血病患者に対する安全な卵巣組織移植を目指した卵巣内微小残存病変評価法の開発」として、現在まで2症例に対して同意を取得した。 1例目は急性骨髄性白血病の症例で、第一寛解期の卵巣組織凍結実施症例であった。凍結卵巣のFFPE検体よりDNAを抽出し、全エクソームシークエンス、および白血病関連遺伝子パネルのターゲットシークエンスを実施した。白血病診断時の検体で得られた結果と比較検討を施行した。今後、正常組織として採取した頬粘膜スワブより抽出したDNA検体の結果と比較検討を行う。 2例目は急性リンパ性白血病の症例で、同意取得後、頬粘膜スワブからDNA抽出を終えている。今後、凍結卵巣組織のFFPE標本からDNAを抽出し、全エクソームシークエンス、ターゲットシークエンスにて1症例目と同様に検討を実施する予定である。 今回、2症例目の患者は卵巣組織凍結から10年以上が経過し、遠方に在住であること、コロナ禍であることも影響し、来院していただき対面での説明および同意取得が困難であった。そのため、同意説明文書を「遠方に在住もしくは体調不良などにより当院への来院が困難である場合には、電話等にて説明を行い、署名した同意文書を郵送する事で同意取得とする」と改訂し、倫理委員会に変更申請を行い、2021年3月に承認を得た。多くの卵巣組織凍結患者さまが遠方の在住であるため、今後同様の方法で研究を推進していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3年間で5症例の実施を予定しているため、計2症例から同意を取得、1症例のアッセイの実施、であることから、おおむね順調に進展していると考えている。 一方、当初予定していた症例の多くは遠方に在住であることに加え、白血病の発症から10年以上経過している症例も多く、発症時の白血病検体が残されていない場合、診断時の診療科および主治医とのコンタクトが困難な症例があったため、対応を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
当初、最も微小残存病変が問題となる疾患として急性白血病を対象としていたが、卵巣組織凍結を実施した他の疾患への対象の拡大を検討している。 また、卵巣組織凍結を実施している他施設への研究参加へのお願いも併せて実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度においては、対象患者への同意取得が2症例、実施が1例であったため、当初予定した初年度の使用額に至らず残額が発生した。 今後、疾患の拡大と共同研究の実施により、最終的に3年間で5症例の実施を完遂する予定である。
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