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2022 年度 実績報告書

膵星細胞抑制薬とナノ粒子の組み合わせにより間質障壁を打破する新規膵癌治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K07661
研究機関九州大学

研究代表者

江上 拓哉  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40507787)

研究分担者 堀岡 宏平  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10783699)
仲田 興平  九州大学, 大学病院, 講師 (30419569) [辞退]
池永 直樹  九州大学, 大学病院, 助教 (90759755)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードナノ粒子 / 膵星細胞 / 膵癌 / 間質 / 治療抵抗性 / 薬剤送達
研究実績の概要

本研究では、膵癌の大きな特徴の一つで、治療抵抗性の原因や薬剤到達性の低下に関わっているとされる豊富な間質の中で中心的な役割を果たす膵星細胞(PSC)を標的とし、さらにドラッグデリバリーシステムであるナノ粒子を組み合わせることで、間質を改変して既存の抗がん剤の効果を増強することを目的とする。また、使用する薬剤はすでに当局に承認されて実臨床で使用されている薬剤を用いるドラッグリポジショニングを想定しており、開発期間およびコストの削減を図る。
これまでに、まず膵癌モデルマウス(同所移植モデル)に対して蛍光色素を封入したナノ粒子を投与し、高分子ポリマー(PLGA)をベースとしたナノ粒子のEPR効果による腫瘍選択的な高度な集積を確認した。当研究室ではオートファジー抑制薬として知られるクロロキンがPSC活性化を抑制することを以前報告しており、クロロキンをPLGAナノ粒子に封入した薬剤を新たに作製し、マウスモデルにおいて優れたPSC活性化抑制効果および抗がん剤の坑腫瘍効果を増強することを確認したためこれを論文発表した。また、PSCの活性化を抑制する薬剤を選定するため、PSC休眠化のマーカーである細胞質内の脂肪滴の貯留を指標としたスクリーニングシステムを開発し、クロロキン以外の候補薬を複数同定し、うち数種類で実際にPSCの活性化阻害効果、腫瘍縮小効果があることを実証した。さらにゲムシタビンの腫瘍縮小効果を増強する薬剤も同定している。このことはPSCを標的とした新たな治療法開発につながる可能性があり、これを論文報告した。さらにスクリーニングにより同定した薬剤Xが膵癌を抑制し腫瘍内の免疫を活性化することを発見した。また薬剤Xと免疫チェックポイント阻害剤との併用で腫瘍縮小効果が増強することを明らかにし、今後論文発表予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ERAP2 is a novel target involved in autophagy and activation of pancreatic stellate cells via UPR signaling pathway2022

    • 著者名/発表者名
      Guan Weiyu、Nakata Kohei、Sagara Akiko、Iwamoto Chika、Endo Sho、Matsuda Ryota、Matsumoto Sokichi、Ikenaga Naoki、Shindo Koji、Moriyama Taiki、Onishi Hideya、Ohuchida Kenoki、Oda Yoshinao、Nakamura Masafumi
    • 雑誌名

      Pancreatology

      巻: 22 ページ: 9~19

    • DOI

      10.1016/j.pan.2021.09.012

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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