長期免疫の獲得に重要な記憶(メモリー)T細胞分化の誘導は、難治性がん克服のための重要な研究課題と考えられる。実用的なワクチンや免疫療法の開発を行う上で、T細胞分化メカニズムの理解は不可欠であるが、その分化を制御するエピジェネティック調節機構については、まだ明らかとなっていない。そこで本研究は、CD8 T細胞におけるヒストン脱メチル化酵素の役割に焦点を当てた解析を行い、エピジェネティック変化によるメモリーCD8 T細胞分化の制御メカニズムの一部を明らかにした。これらの成果は、エピジェネティック調節をすることで人為的にT細胞分化制御を行い、腫瘍に対する長期免疫を誘導できることが期待できる。
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