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2020 年度 実施状況報告書

アデノ随伴ウイルスベクターの粒子形成と感染機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K07681
研究機関自治医科大学

研究代表者

大庭 賢二  自治医科大学, 医学部, 講師 (20759576)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルス(AAV) / ウイルス産生 / ウイルス制御 / ウイルス粒子形成
研究実績の概要

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの粒子形成と感染機構の解析を行い、今年度は以下の成果を得た。
AAVベクターのウイルス粒子形成機構の解析のために、アデノ随伴ウイルス(AAV)のRep/Cap融合遺伝子をそれぞれ分離して、様々なプロモーターの下流に導入し、分離発現と発現制御を可能にした。また、野生型ウイルスの複製におけるRep遺伝子・Cap遺伝子の様々なスプライシングバリアントについても個別に発現制御可能なシステムを構築した。これらを用いて成熟したAAVの産生に関する解析を行い、AAVベクターの作製において効率の良いウイルス粒子形成条件を見出した。さらに、Cap遺伝子のそれぞれのスプライシングバリアントに個別のタグを導入し、ウイルス粒子形成機構のin vitro解析を行う準備を終えた。
AAV感染レセプターの探索については、様々な抗体ライブラリーを用いた新たなウイルスレセプターの探索を行うために、まず既知のAAVレセプターであるAAVRを安定的に過剰発現する哺乳類細胞を樹立した。この細胞を用いて、生細胞を用いた抗体スクリーニングシステムの構築を行うための条件検討を行った。加えて、感染レセプターを同定する際に使用するために、AAV表面に特異的に結合する抗体のスクリーニングシステムを構築するための条件検討もおこなった。これらの条件検討から、「感染レセプターに結合する」、ならびに「AAV表面に結合する」抗体の単離に適した条件を見出し、新たな感染レセプターを単離するための準備が順調に整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は研究課題を遂行するたに必要な準備を行った。
それらの準備は当初の計画通りに概ね進んでいるいることから、「概ね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

初年度はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの粒子形成と感染機構の解析を行うために、「AAVのウイルス粒子形成機構のin vitro解析を行う準備」と「抗体ライブラリーを用いた新規AAV感染レセプター探索のための準備」を行い、概ね順調に準備を終えた。
今後はこれらを用いて、
1)AAVのウイルス粒子形成機構の詳細な解析を行い、AAVゲノムとCapタンパク質が集積するタイミング、ならびにその細胞内部位を経時的に観察し、成熟AAVの形成メカニズムを解明する。
2) AAV感染に関わる細胞表面分子に結合する様々な抗体を単離し、その抗体が結合する分子を同定することで新たなAAV感染レセプターの同定を行う。
以上の2つの解析を行い、研究課題の完遂を目指していく。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画では初年度に画像・塩基配列解析用パソコンの購入を予定していたが、予定していた機種のオペレーティングシステムの大幅な変更がなされることが判明したため、画像・塩基配列解析に使用可能であるかの状況を見極めるために、次年度以降の購入に変更した。そのために余剰金が発生した。また、新型コロナウイルスの世界的な蔓延にともなって、様々な学会が中止・オンライン開催に変更されたため、旅費分が余剰金として生じた。
これらの余剰金は次年度以降に「画像・塩基配列解析用パソコンの購入費用」「学会参加費」、ならびに「必要な研究試薬の振り替え購入」に充てることで使用していく。

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公開日: 2021-12-27  

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