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2021 年度 実施状況報告書

iPS細胞技術を用いたヘルパーT細胞の大量調製法の樹立

研究課題

研究課題/領域番号 20K07694
研究機関京都大学

研究代表者

河合 洋平  京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (90623364)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードiPS細胞 / T細胞
研究実績の概要

本研究では高機能性T細胞の大規模供給が可能な分化培養系の開発と、そのために必要なヘルパーT細胞分化の「必要十分条件」の同定を目的としている。研究実施初年度においてはまずキラーT細胞も含めたT細胞の“ナイーブ化”に取り組み、T細胞のポジティブセレクションに相当する過程(CD4/CD8DPからCD8SPに至る過程)において機能的ナイーブマーカーであるCD28の発現を亢進させる有用サイトカインXを同定した。

二年目に当たる本年度では以上の知見を元にヘルパーT細胞誘導法により本格的に取り組んだ。その結果、既報の3D構造を形成させるArtificial thymic organoid培養系によらない、新たなヘルパーT細胞作製法を樹立した。ただし依然としてマウス由来のフィーダー細胞を使う必要があったため、臨床応用のためにさらなる検討を進めてフィーダーフリー化を試みた。その結果、本年度では培養系の最適化の前提となるinternal markerの同定に成功した。接着分子であり補助刺激分子でもある表面発現分子Yは本来のヘルパーT細胞では高発現している一方、iPSC由来T細胞では発現が低いことを見出した。さらにYの発現レベルに基づいて細胞を選別して刺激を入れたところ、Y高発現細胞はY低発現細胞に比べ増殖率、補助分子の発現維持、いずれにおいても優れる有用細胞である事を見出した。T細胞の増殖率、補助分子の発現安定性は薬効に直結するパラメーターであるため、Yは有用な品質管理マーカーとなり得る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

T細胞分化系のフィーダーフリー化と質的量的改良は着実に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本年度において見出したCD4+Y+の表現型を指標にヘルパーT細胞誘導系のさらなる最適化を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスによる自粛要請に対応して実験計画を一部変更したため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Generation of highly proliferative, rejuvenated cytotoxic T cell clones through pluripotency reprogramming for adoptive immunotherapy2021

    • 著者名/発表者名
      Yohei Kawai, Ai Kawana-Tachikawa, Shuichi Kitayama, Tatsuki Ueda, Shoji Miki, Akira Watanabe and Shin Kaneko
    • 雑誌名

      Molecular Therapy

      巻: 29 ページ: 3027-3041

    • DOI

      10.1016/j.ymthe.2021.05.016

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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