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2020 年度 実施状況報告書

網羅的遺伝子ノックアウト技術を用いた癌-免疫逃避相を克服する標的遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K07695
研究機関大阪大学

研究代表者

森本 創世子  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (10649023)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードCRISPR-guide RNA library / Cas9 / memory
研究実績の概要

【腫瘍側からのアプローチ】免疫原性が低いことで知られているB16細胞株(マウスメラノーマ)の、マウスへの生着の評価と、ウイルスベクターを用いたCas9恒常発現B16細胞株の作製を行った。
【T細胞側からのアプローチ】(1)繰り返し刺激によるT細胞分化促進を抑制する遺伝子の同定:CRISPR-guide RNA library導入Cas9発現ナイーブCD8+ T細胞をin vitroで繰り返し刺激後、分化に関連する細胞表面分子(分子Xとする)を指標とし、X発現T細胞とX非発現T細胞を対象にNGS解析を行った。その結果、X非発現T細胞と比較し、X発現T細胞でenrichしているguide RNAの標的遺伝子の中で、T細胞における機能が明らかになっていない遺伝子Yの同定に成功した。今後、遺伝子YがCD8+ T細胞の分化や機能に及ぼす影響について詳細に解析する。(2)腫瘍浸潤T細胞の疲弊を制御する遺伝子の同定:EG7(OVA発現EL4細胞)を生着させたマウスにCRISPR-guide RNA library導入Cas9発現OT-I細胞を移入後、腫瘍浸潤OT-I細胞中のTim-3陽性細胞とTim-3陰性細胞を対象にNGS解析を行い、Tim-3陽性T細胞と比較し、Tim-3陰性T細胞でenrichしているguide RNAの標的遺伝子を明らかにした。(3)免疫チェックポイント阻害剤に対する反応性を制御する遺伝子の同定:担癌マウスにanti-PD-1抗体およびPBSを投与し、PBS投与マウスと比較し、anti-PD-1抗体投与マウスでenrichしているguide RNAの標的遺伝子を明らかにした。(2)および(3)については、今後、これら標的遺伝子の中で、免疫チェックポイント阻害剤に対する反応性を制御する遺伝子を同定し、その遺伝子がT細胞に及ぼす影響について詳細に解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CRISPR-guide RNA libraryを用いた実験系を初め、すでに確立済みの実験系を用いたため、複数の実験を同時に行うことができた。

今後の研究の推進方策

遺伝子YがナイーブCD8+ T細胞の分化や機能に与える影響を明らかにするとともに、腫瘍浸潤T細胞の疲弊を制御する候補遺伝子ならびに免疫チェックポイント阻害剤に対する反応性を制御する候補遺伝子についてもT細胞に及ぼす影響を明らかにする。また、B16細胞クローンを用いた、免疫原性を高める標的遺伝子の同定を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Identification of two distinct populations of WT1-specific cytotoxic T lymphocytes in co-vaccination of WT1 killer and helper peptides2021

    • 著者名/発表者名
      Fumihiro Fujiki, Akihiro Tsuboi, Soyoko Morimoto, Naoya Hashimoto, Miki Inatome, Hiroko Nakajima, Jun Nakata, Sumiyuki Nishida, Kana Hasegawa, Naoki Hosen, Yoshihiro Oka, Yusuke Oji, Shinji Sogo, and Haruo Sugiyama
    • 雑誌名

      Cancer Immunol Immunother

      巻: 70 ページ: 253-263

    • DOI

      10.1007/s00262-020-02675-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reader?free ELISPOT assay for immuno?monitoring in peptide?based cancer vaccine immunotherapy2020

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Sae、Imanishi Rin、Adachi Mayuko、Ikejima Sayaka、Nakata Jun、Morimoto Soyoko、Fujiki Fumihiro、Nishida Sumiyuki、Tsuboi Akihiro、Hosen Naoki、Nakajima Hiroko、Hasegawa Kana、Oka Yoshihiro、Sugiyama Haruo、Oji Yusuke
    • 雑誌名

      Biomedical Reports

      巻: 12 ページ: 244~250

    • DOI

      10.3892/br.2020.1289

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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