研究課題/領域番号 |
20K07720
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
石田 真帆 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80362086)
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研究分担者 |
宇賀 貴紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50372933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 意思決定 / ラット / 訓練 |
研究実績の概要 |
昨年度につづき、ラットに知覚意思決定課題訓練を行った。訓練装置への頭部固定が容易にできるようになったので昨年度よりも1匹当たりの訓練回数を増やすことができたが、知覚意思決定課題訓練を習得できたラットは11匹中、1匹のみであった。本課題の習得には、報酬を用いて、①ペダルの上下を区別できる、②クリック音の左右を区別できる、③クリック音の左右とペダルの左右を結び付けることができる、ことが必要である。①は多くのラットが可能であり、②は判定が難しいが、クリック音が左右で切り替わった時のラットの様子で推測する。おそらく②までは多くのラットで可能であり、数回の試行後に報酬が得られる側のペダルを上下させられるが、クリック音が左右で切り替わってもペダルの左右を切り替えることができず、報酬が得られていた側のペダルを上下させ続けてしまう。つまり③が難しい。訓練装置でのラットの姿勢は自然なものになるようにペダルは顔の下方に配置されている。この場合、ラットは頭部固定されているためにペダルの上下左右は前肢の感触でしか検知できない。これまで課題を習得できた例ではペダルをできるだけ顔に近づけた場合に限られた。ペダルを顔に近づけることで、視覚やひげの感覚がペダルの動きの検知に役立ったと推測される。 また内因性に神経細胞でカルシウムセンサー蛋白GCaMP6fを発現するトランスジェニックラットLE-Tg(GCaMP6f-7)を購入、繁殖維持している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
知覚意思決定課題習得への道筋は少しずつ明らかになってきているが効率が悪い。電気生理学的解析のためには、ラットの硬膜を露出する手技を習得した。さらに全脳でのカルシウムイメージング解析のため、MATLABを用いて解析データを画像変換する手法の確立に向けて現在模索中である。内因性に神経細胞でカルシウムセンサー蛋白GCaMP6fを発現するトランスジェニックラットは繁殖維持し、いつでも利用できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
知覚意思決定課題を習得できるラットを増やすことが今後の課題である。訓練装置におけるラットの姿勢をできるだけ自然に保ちつつ、左右上下のペダルの動きを視覚やひげの感覚も動員して検知できる工夫をしてラットの課題習得率を上げる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
16チャネル電極を用いた電気生理学的解析、マイクロマニピュレーターの購入に至らなかったため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画に、マイクロマニピュレーター1,000,000円および16チャネル電極300,000円を含める予定である。
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