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2022 年度 実績報告書

相互作用する二者の神経ダイナミクスを統合的に理解するための新たな解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K07721
研究機関名古屋大学

研究代表者

田邊 宏樹  名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード社会脳科学 / リアルタイム相互作用 / コミュニケーション / ハイパースキャニング / 機能的MRI
研究実績の概要

本年度は,一昨年度に提出した研究の推進方策にしたがって,昨年度開発した新たなネットワークダイナミクスを扱える手法を用いた既存のハイパースキャンMRIデータの解析をおこなった。具体的には,健常者同士のペアと高機能自閉スペクトラム症(ASD)者と健常成人のペアが,それぞれ共同注意課題をおこなった際の脳活動データを用い,両ペアの脳活動の同期にどのような違いがあるかを検討した。解析の結果,健常成人ペアでは,これまでの解析で見られていた二者の右下前頭回の脳活動の同期のみならず,背内側前頭前野の同期,内側前頭前野と視覚野の同期,視覚野の異なる領域間の同期などが見られた。一方,ASD者と健常者のペアでは,視覚野同士の同期は見られたものの,その他の部位の同期はほとんど見られなかった。さらに両者ペアを直接比較した結果では,健常者ペアでは前頭・側頭・頭頂領域間の同期が見られたのに対し,ASD者と健常者のペアでは視覚野の一部のみに健常ペアと比べて高い同期が見られるのみであった。これらの結果は,二者のやりとりにおいて,健常者とASD者では異なる神経基盤があることを示すものであり,現在これらを纏めた論文を作成中である。一方,新たなハイパースキャン実験は,コロナ禍の影響,装置の都合やトラブルなどによりかなり遅れてしまい,脳波を用いた特徴への共同注意実験が終了したのみになってしまった。これについては現在得られたデータを解析中であり,結果がまとまり次第論文化する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The Role of the Left Inferior Frontal Gyrus in Introspection during Verbal Communication2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshioka Ayumi、Tanabe Hiroki C.、Nakagawa Eri、Sumiya Motofumi、Koike Takahiko、Sadato Norihiro
    • 雑誌名

      Brain Sciences

      巻: 13 ページ: 111~111

    • DOI

      10.3390/brainsci13010111

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] クロスモーダルな情報伝達によるイメージ過程の神経基盤:ハイパースキャンfMRI研究2023

    • 著者名/発表者名
      沈鈺蕾,小池耕彦,吉岡歩,土元翔平,小笠原香苗,定藤規弘,田邊宏樹
    • 学会等名
      第25回日本ヒト脳機能マッピング学会
  • [学会発表] ハイパースキャンを用いた複数人相互作用神経メカニズムの現状とこれから2022

    • 著者名/発表者名
      田邊宏樹
    • 学会等名
      第24回日本光脳機能イメージング学会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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