研究課題
海馬CA1における超高頻度発火が記憶形成プロセストリガとなっていることを検証するために、電気生理記録システムを完成させた。本システムでは海馬交連を電気刺激するとCA1の神経活動が抑制されるという現象を利用して、CA1に超高頻度発火が起きると海馬交連に電気刺激が入るようにした。このために、両側の海馬CA1に記録電極を、海馬交連に刺激電極を埋め込む手術を確立した。また、超高頻度発火を即座に検出するために、inter spike interval(ISI)をリアルタイムで計算し、規定値以下のISIが数回続いた瞬間に刺激装置が作動するようにした。このシステムにより、超高頻度発火をリアルタイムで抑制すると、拘束ストレスによって起きるリップル発火の増加が阻止されることが解った。一方、拘束ストレスによって増えるsilent period(発火活動が無い期間)は阻止されなかった。以上のことから、超高頻度発火は主に興奮性シナプスの可塑性に関与していることが示唆された。
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