研究課題
視神経脊髄炎(NMO)ではアクアポリン4抗体(AQP4抗体)が出現し、アストロサイト障害を起こすのが病態の中心であるが、どのような機序でアクアポリン4抗体が出現するのかはいまだに不明のままである。SLEを始めとする自己免疫疾患の一部においてはタイプ1インターフェロンが増加するインターフェロンシグネーチャーが存在し、自己抗体の産生に寄与していることが知られているが、本研究ではNMOにおけるインターフェロンシグネーチャーの関与を検討した。NMO患者由来の末梢血単核球(PBMC)ではインターフェロンαとインターフェロンβが増加していることを確認した。またdsDNAが血液中で増加しており、NMO患者血液をPBMCに添加することによりインターフェロンα及びインターフェロンβが増加した。またこの増加はDNA分解酵素(DNase)添加でリバースされることからNMO PBMCにおけるインターフェロンの増加は血液中のdsDNA増加によることが明らかになった。各臓器のDNAメチル化の公開データを利用してバイオインフォマテイクス解析(decovolution)することによりdsDNAの産生源を検討したが、好中球由来であることが明らかになった。またNMOの好中球ではNetosisが亢進しており、その結果血液中のdsDNAが増加していると推定された。インターフェロンシグネーチャーはTh17の活性化やAQP4抗体の産生促進を通じてNMOの病態に関与している可能性がある。
1: 当初の計画以上に進展している
本研究によりNMOのインターフェロンシグネーチャーの上流が好中球からNetosisにより放出されたセルフリーDNAであることを明らかにし、論文報告を行った。
好中球のNetosis亢進の上流について解析を行う予定である。
研究が順調に進行し、予測より少額の予算で計画が達成できたため
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N2
巻: 9 ページ: e1149.
10.1212/NXI.0000000000001149.