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2022 年度 実績報告書

腸管神経新生におけるLRRK2の役割と変異によるパーキンソン病病態形成機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K07764
研究機関北里大学

研究代表者

前川 達則  北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30647673)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード腸管神経系 / パーキンソン病 / LRRK2
研究実績の概要

パーキンソン病(PD)は中脳黒質ドーパミン神経細胞の脱落を特徴とする神経変性疾患であり、その発症メカニズムは未だ解明されていない。本研究ではPD原因分子であるleucine-rich repeat kinase 2 (LRRK2) の腸管神経系における役割とその異常による腸管神経病態の形成機序を明らかにすることを目的としている。2022年度の研究実績は以下の通りである。
腸管神経系におけるLRRK2発現は神経細胞よりもグリア細胞で優位である。②グリア細胞のマーカータンパク質であるSox2を発現する神経細胞は類似タンパク質のSox10を発現しない。
以上の結果と研究期間全体の成果から、LRRK2は腸管グリア細胞に優位に発現していることが明らかになった。また、LRRK2 欠損 (KO) マウスのENSでは神経細胞とグリア細胞の両方の特徴を有するbi-phenotypic cellが増加していることを明らかにした。ENSでは特定の条件下においてグリア細胞が神経細胞へ脱分化を経て分化する現象が知られており、本研究結果から腸管グリア細胞の5-HT4受容体下流のシグナル伝達をLRRK2が負に制御している可能性が示唆された。またKOマウスでは5-HT4受容体下流のシグナル分子であるリン酸化CREBが増加していたことから、LRRK2はCREBのリン酸化を介して腸管神経新生をコントロールしていることが考えられた。興味深い点として、他のPD発症因子の一つであるalpha-synucleinがKOマウスのENSで優位に増加しており、腸管神経新生との因果関係は未だ不明ではあるもののPD発症の引き金になる可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nrf2 Expression Is Decreased in LRRK2 Transgenic Mouse Brain and LRRK2 Overexpressing SH-SY5Y Cells.2023

    • 著者名/発表者名
      Kawakami F, Imai M, Tamaki S, Ohta E, Kawashima R, Maekawa T, Kurosaki Y, Ohba K, Ichikawa T
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 46(1) ページ: 123-127

    • DOI

      10.1248/bpb.b22-00356.

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸管神経系におけるαシヌクレインの局在解析2023

    • 著者名/発表者名
      太田成海, 前川達則, 玉木竣, 川上文貴, 川島麗, 市川尊文
    • 学会等名
      第45回 日本分子生物学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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