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2022 年度 実施状況報告書

遺伝子治療に向けた一塩基編集技術の活用「クラッベ病モデルマウスを用いて」

研究課題

研究課題/領域番号 20K07769
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

田中 義久  大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20648703)

研究分担者 濱岡 仁美 (黒瀬仁美)  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80545608)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードクラッベ病 / 脱髄疾患 / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9
研究実績の概要

本研究は、遺伝性脱髄疾患であるクラッベ病のモデル動物として知られているtwitcherマウスに一塩基編集技術を利用し、一塩基多型によってもたらされる疾患の根本的な治療法の開発に向けた基礎研究を行う。昨年度までに、twitcherマウス由来のシュワン細胞株であるTwS1を用いて、ガラクトセロブロシダーゼ(GALC)遺伝子の一塩基変異を修復することができる編集ツールadenine base editors(ABE)を得ることができた。ターゲットとなるアデニンをグアニンへと編集する効率は55.8%であり、近傍の望ましくないアデニンの編集効率は7.7%であった。当該年度では、まず、GALC遺伝子の修復に伴い、生化学的にGALC 酵素活性を測定した。ターゲットのアデニンのみの編集は、編集前と比較して十分な酵素活性の回復が見られた。しかしながら、近傍のアデニンを同時に編集してしまった場合の酵素活性は、正常な酵素活性と比較して低下することが観察された。次に、in vivoでの編集を可能とするために、アデノ随伴ウイルス(AAV)作製用のプラスミドベクターの調整を試みた。AAVに搭載できる遺伝子にはサイズ制限があるため、split intein法(二分割したタンパク質の塩基情報を別々のベクターに組み込み、発現されたタンパク質が再結合することによって元来のタンパク質として機能することができる手法)を用いて、2種類のAAV作製用プラスミドベクターを調整した。作製したプラスミドベクターの編集効果を評価するために、シュワン細胞株TwS1に導入し、編集効率を算出した。その結果、ターゲットとなるアデニンの編集効率は42.0%であり、近傍のアデニンの編集効率は4.9%であった。通常のプラスミドベクターと比較して、やや編集効率の低下が見られたものの、in vivoでの編集に期待できる値であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの構築およびtwitcherマウスの取得に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

次年度では、in vivoでのゲノム編集を施す以前の予備実験としてGFPを搭載したアデノ随伴ウイルス(AAV)を作製し、マウスの側脳室に投与することで、ガラクトセロブロシダーゼ(GALC)遺伝子を必要とするオリゴデンドロサイトへの導入効率を評価する。オリゴデンドロサイトへの導入効率が十分に認められた場合、編集ツールを搭載したAAVをtwitcherマウスに投与し、GALCのナンセンス変異が修復されているかどうか、また脱髄の改善を評価する。

次年度使用額が生じた理由

ゲノム編集に必要なtwitcherマウスの取得が遅れたことと、AAVベクターの作製に時間を様要したため、in vivoでの実験に至らなかった。その結果、in vivoでの実験費用に余剰金を生じた。次年度では、in vivoでの実験費用として使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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