研究実績の概要 |
研究1.ナショナルデータベースを用いた心疾患が脳の老化に及ぼす影響の研究について、経皮的大動脈弁置換術後のせん妄・脳低灌流に関し、共同主著とし て報告した(Takeuchi M, Suzuki H, et al. Prediction of the development of delirium after transcatheter aortic valve implantation using preoperative brain perfusion SPECT. PLOS ONE 2022)。 研究2.心疾患に対する治療的な介入による脳の老化の可逆性の研究について、各群12例(計24例)の慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療前・後の症例を登録・ほぼフォローを完了した。 研究3.心疾患の無い中高齢者における心機能が脳の老化に及ぼす影響の研究について、大脳白質病変の遺伝的背景に関する知見を共同主著として報告した(Mishra A, Suzuki H, et al. Gene-mapping study of extremes of cerebral small vessel disease reveals TRIM47 as a strong candidate. Brain 2022)。また、脳医療画像から生活習慣病・そのリスク行動を予測し得るアイディアに関し、特許出願を行った(名称:生活習慣予測装置、生活習慣予測システム、生活習慣予測方法、生活習慣予測プログラムおよび記録媒体 発明者:鈴木秀明、安田聡、樋口彰、イマンクロヴァ アイジャン 出願人:株式会社CogSmart 出願日:2022年9月14日 国際出願番号:PCT/JP2022/034376)。 以上、2022年度における発表論文として、上記2本を含む論文5本が採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1.ナショナルデータベースを用いた心疾患が脳の老化に及ぼす影響の研究に関する進捗状況については、今年度も関連論文(Takeuchi M, Suzuki H, et al. PLOS ONE 2022; Aota H, Suzuki H, et al. Journal of Cardiology Cases in press)を発表出来ており、(2) おおむね順調に進展している、と考える。 研究2.心疾患に対する治療的な介入による脳の老化の可逆性の研究に関する進捗状況については、症例登録・フォローアップをほぼ完了することが出来ており、(2) おおむね順調に進展している、と考える。 研究3.心疾患の無い中高齢者における心機能が脳の老化に及ぼす影響の研究に関する進捗状況については、本課題の仮説である「心疾患の無い中高齢者においても、心機能低下が脳の老化と関連している」ことについて、既に原著論文で報告することが出来ている(Bai W, Suzuki H, et al. Nature Medicine 2020)ことに加え、今年度も更に関連論文(Mishra A, Suzuki H, et al. Brain 2022)を発表・特許出願(PCT/JP2022/034376)を行なっており、(1) 当初の計画以上に進展している、と考えて いる。 以上から、現在までの全体の研究進捗状況として、(2) おおむね順調に進展している、と判断した。
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