研究課題/領域番号 |
20K07777
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中馬越 清隆 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10436272)
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研究分担者 |
小金澤 禎史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80431691)
玉岡 晃 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50192183)
辻 浩史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40633970)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 前庭刺激 / バランス障害 / 携帯型中耳加圧器 / エア・カロリック |
研究実績の概要 |
認知症患者での転倒・骨折は患者自体の社会参加を阻むだけではなく、高額な医療資源を使用するため保険診療への影響も少なくないと考えられる。この認知症患者の転倒・骨折の要因となりうる「めまい感」の実態を調査する。また携帯型中耳加圧器を利用して前庭を刺激し、認知症患者に「めまい感」を誘発できるかを調査する。更に、「めまい感」は前庭皮質の活性化の指標となり得るため、「めまい感」誘発がバランス障害の回復と相関するかを検証する。これらの3つが主たる目的であるが、まずは我々の先行研究であるエア・カロリック装置を使用した認知症患者での前庭刺激効果の結果について解析を進めた。認知症患者でのバランス障害の進行抑制の可能性が示唆される結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス流行と緊急事態宣言に伴い、不要不急の高齢者の来院や直接の接触自体が困難となったため、健常被験者に該当する高齢者募集方法の再検討が必要となっている。また、本件を筑波大学附属病院の倫理委員会へ申請を行っているが、特定臨床研究としての審査が必要となり、再度申請中のため未承認より臨床研究実施に至っていない。特定臨床研究としての承認のためには使用機器による前庭刺激効果が大脳刺激に十分であることを証明する先行研究を健常被検者で行うように指導を受けており、これにより健常被験者募集と病院施設利用が必要であり、新型コロナウイルス流行が抑えられるまでは研究着手が現状困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会承認を目指し、また新型コロナウイルス感染流行期であるため、直接的な健常被験者での前庭刺激研究を補うものとして、過去に実施の認知症など脳神経疾患患者での前庭刺激による大脳刺激効果に関する結果を早急に論文化する。健常被験者募集可能となり、筑波大学附属病院で先行研究が可能となる環境が整備されるまで可及的に対応し研究をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響より、筑波大学附属病院施設を利用した臨床研究が困難となった。また倫理委員会の承認が得られず、先行研究の指導があるも病院施設を利用する必要があるため研究実施が遅れている。未使用額は次年度の研究で使用する。
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