研究課題/領域番号 |
20K07783
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
足立 正 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50555711)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アミロイド / 認知症 / アルツハイマー / 神経病理 / 脳脊髄液 |
研究実績の概要 |
本研究では,我々が初めて見いだしたアミロイド前駆体蛋白(APP)遺伝子新規変異(D678N)患者凍結脳から作成した本変異特異的抗アミロイド抗体を用いて,本遺伝子変異剖検脳,孤発性アルツハイマー病ならびに老年性変化におけるアミロイド蓄積の病態を検証することを第一の目的とする.次に,本抗体を用いて,臨床的にアルツハイマー病が疑われる症例の脳脊髄液中の変異アミロイドの定量評価を行うことを第二の目的としている.本年度は,本変異患者剖検脳の詳細な病理学的検討の再検討と,作成した新規抗体を用いた検討を進めた.その結果,本変異例では1例はAD病理のみ,もう1例はAD病理に加え,広汎なαシヌクレイン病理を認めるもののTDP43の蓄積は認められないことが分かった.一方,本変異特異的抗体を用いた免疫染色は現在検証中である.さらに本年度は6件の院内病理解剖と2件の他院での病理解剖例があり,そのうち1件はタウ遺伝子異常を認め,もう1件はLRRK2遺伝子異常を認めた.これらの凍結脳を用いた生化学的解析とアミロイドを含めた詳細な病理学的検討をすすめることができた.また,臨床的にアミロイドPET撮像を行った剖検例1例があり,今後PETとの相関を含めた病理学的な検討を進める予定である.また,昨年度剖検となった遺伝性パーキンソン病症例(PARK2変異)について詳細な病理学的検討を行い,その結果をNeuropathology誌に投稿し採択され,現在発刊待ちの状態である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新規作成抗体を用いた免疫染色によるアミロイドの検出がうまくいっておらず,研究の方向性に支障がでている.
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今後の研究の推進方策 |
新規作成抗体を用いた免疫染色によるアミロイドの検出がうまくいっていないため,抗体力価の検証,免疫染色の方法論の検証を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い,出張に伴う旅費の算出がなく差額が生じた.次年度以降は,その分を物品等の購入に充てる予定である.
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