研究成果の概要 |
がんサルコペニア病態形成における腸内細菌叢の関与をマウスモデルで検討した.マウスを腫瘍移植の有無及び食餌における水溶性食物繊維含有の有無で4群にわけ検討を行なった.体重と腓腹筋重量は腫瘍移植により有意に低下したが,水溶性食物繊維の摂取はそれらの減少を有意に抑制した.腸内細菌叢,腸内代謝産物,血中生理活性物質,骨格筋遺伝子発現の解析から,水溶性食物繊維の摂取は担がんに伴う腸内環境の乱れを是正し,腸管バリア機能の是正や短鎖脂肪酸産生増加などを介して,担がんに伴う全身性の炎症反応を抑制し,骨格筋での蛋白異化を抑制することによってがんサルコペニア進展を抑制することが示された.
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